レオとわたしの闘病記7 ―ぼくはりなちゃんの右耳―
この闘病記もついに最終回となりました。
途中で湿っぽいところもあったかと存じますが、
お忙しいところ最後までお付き合い頂きまして ありがとうございました。
今こうして生きているのはもちろん、
フォトグラファーとしての自分や母としての自分、
そしてペットヒーリングのインストラクターの自分がいるのは
レオとのこの過去があったから。
そして、飼い主さまとワンちゃんとの絆の写真を撮るという独自性を持てるようになったのは、
レオが 「寄り添って起こす奇跡」 という大切なものを教えてくれたからでした。
それでは、 最後まで支えてくれたレオと家族に感謝の気持ちを込めて最終回をお届けいたします。
Dog Lover's Story 根元 梨奈
当時の私にとって『幸せ』や『大切なもの』というのは、ひたすらキャリアを積んで賞賛されることだった。
体を悪くしても評価が欲しかった。
でも、レオがそばにいて教えてくれた。
地位や名誉なんて大したものではなくて、
ちょっとでも失敗したらすぐに解雇されて一瞬で失うし、 死んで持っていけるものではない。
その立場や肩書きを使って人に感動や幸せを与えることができたら価値はあると思うけれど、そうでなければ意味がない。
死んで持っていけるものは思い出や温もり、そして絆だけ。
そこに気がついた私には、評価というものに価値を感じなくなってしまった。
そして私は、療養が必要だったこともあって会社を辞めた。
今、私の右横には、どんなことがあっても寄り添ってくれる失われることのない温もりがある。
帰宅したら尻尾を振って出迎えてくれた。
体が辛いとき、看病してくれた。
悲しいとき、涙を舐めてくれた。
右耳が聞こえない間、ずっと私の右側を守ってくれた。
この温もりと幸せを、この絆をカタチにしたい
この時間を幸せの証として残したい
そう強く思った私は、写真というカタチで「幸せの証」 を残していきたいと一眼レフを手に入れた。
これがフォトグラファーとしての自分を見つけたときだった。
手術してから5年後の2013年の春、再発すること無く5年間の経過観察が終わり、
今は、少し聴力が弱いものの不自由無く暮らしている。
そしてレオによって守られた命から新しい命が誕生し、
今、私の腕の中で健やかに眠っている。
レオと私のストーリーは娘の命に継がれ、永遠に輝き続けていくのだろう。
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レオ、あなたはいつまでも最高のパートナーです
いつまでも、ずっと心から愛しています
ねーちゃんより
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
。。。おわり
初めて買った一眼レフで撮った一番最初の写真。
レオが初めて「絆の撮り方」を教えてくれた大切な一枚。
私とレオの幸せの証